ケーブル界の鬼才として、業界でも一目置かれる存在である デビッド ザルツ氏。
オーナーであり、設計者でもある氏が創設したワイヤーワールド。
前身は、1981年に自身が立ち上げた STRAIGHT WIRE 社 で、この会社を1991年に譲渡した後
翌年に創業したケーブルメーカーが、WIRE WORLD社でございます。
ストレートワイヤー時代から、特許技術「Symmetri Coax Design」 完全対称同軸構造を
一貫して採用し、瞬く間に世界的なトップブランドとして 、その地位を不動のものとします。
その肝となるコンストラクションは、2重円筒同軸というもので、内部は中心に配した円筒形の
樹脂製コアに導体をスパイラル状に巻き付け、それを絶縁した上から更にもう一層
導体を巻き上げた、2重からなる円筒形状の 同軸(コアキシャル)構造です。
ザルツ氏はこの構造に、絶対的な優位性があると確信していたのでしょう。
XLRバランスケーブルには、片chあたり 2重円筒同軸を2本使いで採用する大胆な手法。
やがて電源ケーブルにも、この構造を取り入れて製品化するのですが
当方が知る限りでは、コアキシャルデザインの電源ケーブルは、このメーカー以外、存じ上げません。
しかし2000年代後半に、コンセプトをガラリと代えた「D.N.A Herix」(平行配列構造 螺旋型)という
デザインを全面的に採用し始めましたが、それに伴い 特徴的であった
極めてゴージャス、絢爛豪華でスケールの大きなテイストが薄れてしまい
あのころのような凄みやオーラが感じられなくなってしまったように思います。
刷新された そのころに、生産拠点を 他国に移管したことの影響なのかもしれませんが
如何せん、様々な大人の事情あってのことかと存じます。
歴代を通じて使用してきた、あくまでも個人的な感想ですが。。。
WIREWORLD ワイヤーワールド Equinox-3+ 驚愕/2連装=Dual Symmetri Coax/完全対称同軸
方向適正導体=Grain-Optimized+Litz線 2m の出品です。
両端=Yラグ端子、スピーカー側の結線が「バイワイヤー」仕様でございます。
当出品物は、ミドルクラスに位置する 同社の中核をなすスピーカーケーブルでございました。
しかしながら、この製品はディスクリート構成のバイワイヤー版なので、たいへん豪華な内容を持ったケーブルです。
このシリーズ3になってからは、素線の構成が従来の編組線から平行配列のスパイラル巻きに変更になり
ストランドジャンプからの迷走電流を考慮した、大幅なヴァージョンアップがなされました。
構造はワイヤーワールドのお家芸である、ご自慢の特許技術 シンメトリ コアックス デザイン (完全対称同軸構造)
表皮効果と近隣効果の矛盾を最小限に抑えつつ、導体に電流が流れるときに生じる電磁界の影響を均一化し
極めて高いレベルの信号伝達が実現したことで、完全な情報伝送を果たそうとする明確な意図がございます。
このことが、当時のワイヤーワールドの音質を決定づけている最大の要因かと推測いたします。
当出品物の特筆すべき点として、当時のワイヤーワールドは、バイワイヤリング仕様のスピーカーケーブルでは
なんと片chあたり デュアル=2本使いが用いられており、シングルワイヤリング仕様の2倍の物量を投入しております。
バイワイヤリング仕様は、大体どこのメーカーでも 4芯以上の多芯構成ですが、普通は Low側とHigh側は 2分割(半分ずつにして)
成立させておりますが→(ワイヤーワールドの現行品でも同様です)この時代は、2分割ではなく 「2倍」で構築しておりました。
アンプ側は 4極あるうち、2重円筒同軸の内周側×2本を一つに纏めて+側に。外周側×2本を 一つに纏めて-側に割り当てております。
もう一方のスピーカー側は Low側×2極 と High側×2極に分配させた、物凄い物量のスケール大きな造りでございます。
これをディスクリート·バイワイヤリング(完全分離)と名付けて、+/-間の相互干渉を受けない コンストラクションの絶対的な優位性を生かした
あのころのWW社の本気が感じられる、物量投入型のスピーカーケーブルと思います。
つまり この出品物は、通常のシングルワイヤー仕様の2連装、2倍のキャパシティを持っているわけです。
導体は ワイヤーワールド独自の グレイン·オプマイズド(Grain Optimized) を施して
信号伝達を妨げる要素を排した、方向適正導体と呼ばれる 高純度の銅線(ピュアカッパー)を採用し
更に一本ずつポリマーコートを施したリッツ素線で構成された 12,5mm×2=25mmと太く硬いケーブルです。
絶縁体には最高性能! 高価な材質ですが、空気に次ぐ 優秀な絶縁率を誇る 超微孔発泡テフロン。
秀出た比誘電率ばかりでなく、耐振動性も大きな特徴のひとつでございます。
優れた構造、秀逸な導体、高価な材質を物量投入した贅沢なケーブルと思います。
勢いがあったころのワイヤーワールドの凄みやオーラを感じていただけますと幸いに存じます。
使用に伴う スレやキズはございますが、大きなダメージは見当たりませんでした。
硬い極太の2芯平行ケーブルのため、取り回しは あまりいいとはいえません。
見落としがあるかもしれませんが、画像を最大限 掲載致しましたので、ご参照ください。
外観の判断は個人差もありますし、受ける印象も様々だと思いますので
見た目を重視される方は、恐れ入りますが 入札をお控えくださいませ。
中古のオーディオ製品という観点からのご検討をお願い致します。
実に様々な方々がいらっしゃいますことから、誠に恐縮ですが
原則 ノークレーム·ノーリターン·ノーキャンセルでお願いしたいと思います。
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